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EDの原因は一つとは限らない
EDを招く原因には心の問題と体の問題がある
EDは年のせいとは限らない
■年をとったから必ずEDになるというものではない
個人差は大きいのですが、40代あたりから、性生活にかげりを感じる人が多くなります。勃起しても若いころのように元気ではないし、持続時間も短くなってきた。セックスの回数も明らかに減っている。そんなことから、いずれEDになってしまうのではないか、と不安をもつ人もいるようです。たしかに加齢はEDの危険因子の一つですし、高齢になるほどEDの人は多くなります。しかし、年をとったら誰もがEDになるちうものではないのです。
■老化現象よりも、ほかの危険因子の増加が大きな原因
高齢になるほどEDが多くなるのは、加齢に伴ってEDの危険因子が増えることが主な原因になっています。たとえば、糖尿病や高脂血症や高血圧などによって、ペニスの血管が動脈硬化を起こすことが、EDの原因になることがあります。前立腺や大腸の手術で神経が障害されることや、いろいろな薬を飲むことが原因になることもあります。老化よりも、こうしたことがEDの原因になっているのです。
性欲が低下すれば勃起は成り立ちません
■ホルモンの状態やうつなどが性欲低下の原因になる
セックスするためには、まず性欲がなければなりません。性欲が低下していると、セックスをする気になれないだけでなく、勃起能力にも影響が現れてしまいます。性欲が低下していると、勃起しにくい状態に陥ってしまうのです。つまり、性欲の低下もEDの原因の1つだといえます。性欲低下は、ホルモンや精神面の影響によって起こります。性欲に最も影響するホルモンは男性ホルモンで、この分泌が低下すると、性欲が低下してきます。たとえば、前立腺の病気の治療で男性ホルモンの分泌を抑える薬を使うことがありますが、副作用として性欲低下が起こります。女性でも、男性ホルモンがまったく分泌されない場合には、性欲が低下してしまうことがわかっています。そのほか、プロラクチンという乳汁分泌ホルモンが多い場合にも、性欲低下や勃起機能の低下が起こります。精神面では、ストレスが強い場合やうつ状態に陥っている場合に、性欲が低下します。心配事がある、仕事が忙しい、という状況でセックスしたい気持ちになれないのは当然でしょう。また、うつ状態になると、何をする意欲も失われるので、セックスに対する意欲も失われてしまうのです。
■性に関するいやな体験、罪悪感も性欲を抑制する
性欲には、性に対する価値観や過去の生体験も影響しています。たとえば、セックスを汚らわしい行為だと考えていたり、セックスすることに罪悪感を抱いている人は、どうしても性に対する欲望がわいてきません。セックスを楽しめない価値観をもっている人も同様です。また、過去に性に関していやな経験をしたことがある場合や、満足度の低いセックスしか行なっていない場合なども、性欲が低下しやすいといえます。逆に、セックスするたびに満足感が得られるような場合には、性欲低下が起こりにくいのです。
神経経路に問題があるとペニスは勃起しない
■脊髄が損傷されれば勃起の中枢が機能しなくなる
ペニスを勃起させる源となっているのは、脳の性的興奮です。この興奮は脊髄を通り、仙髄(脊髄の一番下の部分)にある勃起の中枢を経て、ペニスの海綿体へと伝えられます。つまり、脳からの「勃起せよ」という指令(興奮)を受けて、はじめて海綿体は勃起のための活動を始めるのです。したがって、この神経経路のどこかが損傷を受けると、たとえ脳に性的興奮が起きても、指令が伝わらず、ペニスが勃起しなくなることがあります。損傷の程度にもよりますが、勃起に必要な興奮を十分に伝えられないほどの損傷であれば、勃起機能が影響を受けてしまうのです。こうなると、セックスする気はあるし、パートナーを前にして興奮もしているのに、どうしても立たない、という状況が生まれてきます。
■外科手術などで神経が傷つけられることもある
神経が損傷を受ける原因はいろいろありますが、外科手術もその一因になっています。特に、直腸、膀胱、前立腺など、骨盤内の臓器にできたがんの切除手術を行なうときに、勃起に関係する神経が傷つけられたり、がんといっしょに神経が切除されたりすることがあります。こうした理由でEDになる人が、がんの起こりやすい年代では、実際にかなりいるのです。もっとも、最近は、神経を傷つけないようにして残す手術が主流にはなっています。しかし、がんのできている部位や進行度によっては、がんを取り除くためには、神経を犠牲にしなければならないこともあります。そのほか、外傷も原因となります。交通事故などで脊髄損傷や脳外傷のような外傷が起こった場合には、体に麻痺が起こるだけでなく、勃起機能も影響を受けることになります。脳血管障害では脳の神経細胞が壊死するため、起きた部位や程度によっては、勃起障害を引き起こすことがあります。
ペニスの血行が保たれなければ勃起できない
人間は血管から老いるといわれることがありますが、年をとると誰でも血管に動脈硬化が起きてきます。もちろん、動脈硬化の原因は加齢だけではなく、高血圧、高脂血症、肥満、喫煙、ストレスなど、さまざまな要因によって進行していきます。この動脈硬化によってEDが引き起こされることがあります。ペニスの勃起は、動脈から海綿体に血流が流入することで起こります。そのため、動脈硬化が起きて血流の流れが悪くなっていると、海綿体に流入する血流量の低下が起こり、ペニスが勃起しにくくなってしまうのです。EDの人の割合は高齢になるほど高くなりますが、動脈硬化によって血流が障害をされることが、その大きな原因となっています。
■陰茎の動脈に部分的な狭窄や閉塞が起こることも
ペニスの動脈の血流が悪くなる原因は、動脈硬化だけではありません。会陰部に圧迫や打撲などが加わると、海綿体に血流を送る動脈に狭窄や閉塞が起こることがあるのです。また、動脈の血管壁が傷つくと、動脈硬化が進みやすくなります。こうしたことで海綿体に流入する血液量が低下し、勃起機能が弱まってしまうことがあります。
■血液が漏れるために勃起できないこともある
血液が流入して陰茎海綿体が膨張すると、海綿体は周囲の白膜に圧迫されます。この圧迫によって静脈が閉鎖され、海綿体の内圧が高くなってペニスが硬くなるのです。この静脈閉鎖のメカニズムが正常に機能しないと、海綿体内に血液をプールできず、完全な勃起が起こらなくなってしまいます。
こうした簿記不全の原因は、まだはっきりわかっていませんが白膜組織が老化によって弾力性を失うことや、海綿体組織そのものの変化が関係していると考えられています。
糖尿病はEDを合併しやすい
■糖尿病の人の3~6割がEDを合併する?
勃起機能に障害が現れやすい病気としては、以前から糖尿病がよく知られていました。実際、男性の糖尿病の患者さんのなかで、EDを合併する人は3~6割にのぼり、糖尿病でない男性の2~3倍の頻度になる。というデータがあります。糖尿病が年々増加しているだけに、これは大きな問題といえます。現在、糖尿病によるEDの患者さんが、日本全体で約100万人いると推定されています。
■血管や神経、薬など、多くの原因をつくる
糖尿病で血糖コントロールがうまくいっていないと、血管内を糖分濃度の高い血液が流れることになります。それによって毛細血管が障害を受け、さらに毛細血管を流れる血液から栄養や酵素を受け取っている神経も障害されてしまいます。また、糖尿病になると、合併症として動脈硬化も進行しやすくなります。こうして、神経と血管が障害されるのが、糖尿病がEDの原因となる主な理由。神経障害。神経障害によって、脳の性的興奮がうまくペニスに伝わらなかったり、血管の障害によって、海綿体への血液の流入がうまくいかなくなったりするのです。さらに、糖尿病の患者さんは、糖尿病の薬に加え、さまざまな合併症が現れることで、薬を使う機会が多くなります。こうした薬の影響もあると考えられています。
■自信喪失やストレスによる心理的要因も大きい
糖尿病の患者さんには、EDになりやすい条件がそろっているわけですが、糖尿病の患者さんがEDになった場合、その原因がすべて糖尿病にあるとは限りません。実際、EDの症状を訴える糖尿病の患者さんを検査してみると、だいたい半数の患者さんは勃起機能が正常で、心因性など機能性のEDと考えられるのです。日常生活におけるさまざまなストレスに加え、糖尿病だからEDになりやすいはずだという思い込みも、大きく影響していると考えられます。不安が増大したり、自信を失ったりするのが、影響しているのでしょう。
こんな病気があるとEDも起きやすい
■高血圧、高脂血症、心臓病の人はEDを合併しやすい
EDの原因となる病気は、糖尿病以外にもいろいろあります。たとえば、動脈硬化を進行させる病気は、海綿体に血液を送り込む血管を障害することで、EDの原因となります。その代表的な病気が、高血圧や高脂血症です。いずれも動脈硬化を進行させる重大な要因であり、EDの下地をつくることになります。また、すでに狭心症などの心臓病がある人は、心臓の冠動脈だけでなく、全身の血管に動脈硬化が進行していると考えられます。動脈硬化が進行すると、海綿体への血管の流入がうまくいかなくなることで、ペニスが勃起しにくくなります。EDは高齢になるほど多くなりますが、高齢になるほど動脈硬化が進行することが、その大きな理由であると考えられています。
■肝機能、腎機能が低下して体力が落ちると勃起も難しい
肝機能障害や腎機能障害もEDの原因になります。これらの病気は消耗性疾患なので、全身の体力が低下することで、勃起機能にも影響が現れてくるのです。また、慢性腎不全となり、人工透析を受けている男性の患者さんのうち、50~80%にEDが見られるというデータもあります。人工透析を受けている患者さんには、男性ホルモンの低下、プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)や女性ホルモンの上昇など、内分泌の異常が多いほか、血管障害や神経障害が起こりやすいことが原因と考えられています。
■うつ病があると性的に興奮しにくくなる
うつ病もEDと深い関係があります。ペニスが勃起するためには、まず大脳が性的に興奮する必要がありますが、うつ病になると、大脳が興奮しにくくなってしまうのです。そのため、たとえ勃起障害や血管に異常がなくても、勃起が起こらなくなってしまうことがあります。
病気の治療に用いている薬の副作用でEDが起こることもある
■前立腺肥大症などの治療薬が男性ホルモンを低下させる
EDの原因となる薬、あるいは原因となる可能性のある薬は、実に多岐にわたっており、その種類もたくさんあります。それらの薬のなかで、特に影響の大きいものといえば、前立腺肥大症や前立腺がんなどの治療薬です。この薬は男性ホルモンの分泌を抑制する作用をもっています。男性ホルモンが低下した状態になると、前立腺肥大や前立腺がんは抑えられるのですが、性欲が衰えるのはもちろん、勃起機能にも影響が現れてきます。なぜなら、男性ホルモンは、脳の性的な興奮にもかかわっていますし、勃起中枢と呼ばれる脊髄でも働いているからです。また、海綿体の平滑筋を弛緩させるための神経伝達物質であるNO(一酸化窒素)の合成にも、男性ホルモンが関与していることが明らかになっています。実際、前立腺肥大症や前立腺がんの治療薬を服用していて、EDになる人は少なくありません。
■抗うつ薬などの向精神薬もEDの原因になりやすい
うつ病の治療に用いられる向精神薬や、ストレス性胃潰瘍などの治療に用いられる薬で、EDになることもあります。この薬は、脳の中のドーパミンやセロトニンといった物質に影響を与えます。ドーパミンやセロトニンは性行動に関与しており、ドーパミンが増加し、セロトニンが減少したときに性行動が起こることがわかっています。向精神薬やある種のストレス性潰瘍治療薬は、ドーパミンを減少させ、セロトニンを増加させることで、性欲低下や勃起機能の低下を招いてしまうのです。また、これらの薬にはプロラクチンの分泌を高める作用もあり、それも性欲低下やEDを起こす原因となります。
■血圧を下げる降圧薬なども性欲を減退させる
高血圧の治療に用いられる降圧薬にも、性欲を減退させる副作用をもつものがあります。降圧薬にはいろいろな種類がありますが、影響があるのはβ遮断薬、利尿薬、ACE阻害薬などの薬です。また、必要以上に血圧が低下することで、意欲の減退を招き、それが性欲に影響をおよぼすこともあります。
EDにとってたばこやアルコールは意外な大敵
■たばこは血管を収縮させ、血管障害を招きやすい
たばこがEDの原因になるというと、意外な感じがするかもしれません。しかし、喫煙は血管に影響を及ぼすことで、EDを招きやすくします。喫煙にとってすぐに現れる直接的な作用としては、血管を収縮させ、血流を低下させる働きがあります。また、たばこを吸う習慣は、動脈硬化を進行させる重大な危険因子に数えられています。たばこの煙に含まれる一酸化炭素によって血管が障害され、それが原因となって動脈硬化を信仰させてしまうのです。ペニスが勃起するためには、海綿体の血管が拡張し、海綿体の中に血液が流入しなければなりません。したがって、血管を収縮させたり、動脈硬化を進行させたりする喫煙は、EDを発症させる原因の一つと考えられているのです。
■アルコールも度をこすと性欲を抑制してしまう
アルコールは、セックスに対してプラスに働く場合と、マイナスに働いてしまう場合とがあります。少量のアルコールは、大脳の働きを抑制することで、羞恥心や社会的な価値観などを取り除いてくれる効果があります。それによって、アルコールなしでは行なえないような、積極的で大胆なセックスを可能にします。ところが、アルコールを飲みすぎてしまった場合には、大脳に対する抑制が過度に働き、性的な興奮まで抑えられてしまいます。それによって、ペニスが勃起しないという状態に陥ってしまうことがあるのです。たくさん飲んだときにうまくいかなかっただけなら、たいして問題ではないでしょう。アルコールの好きな人にとっては、日常的に経験していることかもしれません。しかし、その失敗が心の傷となり、また失敗するのではないかという不安から、心因性のEDへと発展してしまうケースもあるのです。こうなると、アルコールはEDの立派な原因であるといえます。
ストレスや不安がEDの最大の原因
■体は健康でも精神的な要因でEDになる
体にはまったく問題がない健康な人でも、心が原因で起こるEDになることがあります。その直接的な原因として最も多いのは、セックスに失敗した経験。何らかの理由でペニスが勃起しなかった、あるいはセックスがうまくいかなかった、という経験が心の傷となり、セックスに対する不安を生み出したり、自信を失わせたりします。それによって、勃起機能が発揮されなくなってしまうのです。
失敗の理由はさまざまで、新婚夫婦の場合には緊張しすぎてセックスがうまくいかないことがよくあります。また、ストレスが原因となって、勃起機能に支障をきたしてしまうこともあります。
ストレスの内容はさまざまで、家庭内のストレスとしては、妻とのトラブル、子供の教育や非行の問題、親の病気や介護、家計の苦労などがあげられます。なかでも最もEDの原因になりやすいのは、妻との関係で生じるストレスです。職場のストレスとしては、複雑な人間関係、テクノストレス、重いノルマや業績不振、リストラによる配置転換や解雇などがあげられます。
●家庭のストレス
・性の不一致に限らず、妻とのいざこざや夫婦仲の悪化はEDの大きな原因に。
・親などの近親者の病気や死のショック、介護の負担も、大きなストレスに。
・子供も教育の悩みも深刻。問題行動でもあれば家庭内の空気もピリピリして。
・家計が苦しいために追い詰められたようになって、心の余裕がなくなる人も。
●職場のストレス
・職場に押し寄せるITの波に翻弄され、テクノストレスに消耗しきって。
・上司と、部下と、あるいは同僚との人間関係がうまくいかなくて。
・業績不振で責め立てられ、いつも緊張状態が続いている。
・失業、定年退職などで職を離れたら、心の張りも失ってしまって。
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